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「脱炭素」勉強ブログ Vol.3

2021/11/09

省エネプラスがお届けする「脱炭素」情報

              第3回 世界各国での「脱炭素」の動向              

前回までに「脱炭素」という取り組み、脱炭素を進める理由というものを見てきました。
想定され得る様々なリスクを回避するために、地球全体として、
また各国それぞれとしても「目標」を定めて取り組んでいます。

今回は、世界的な課題となるまでの地球温暖化対策の簡単な歴史と、
世界各国の脱炭素への取組の動向を見ていきたいと思います。

 世界の❝合意❝の流れ 

 京都議定書 
・1997年第3回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP3)@京都
・1990年と比較して温室効果ガスの排出量を削減する目標が定められた
・先進国のみ削減を課せられる
先進国全体
約5%削減

主要国
・日本:6%削減(実際8.4%削減)
・米国:7%削減(実際9%削減)※ブッシュ大統領による離脱
・EU:8%削減(実際12.2%削減)

【各国別の温室効果ガス排出シェア】
パリ協定
・2015年第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)@パリ
・「世界の平均気温上昇を、産業革命以前に比べて2℃より充分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする事を目指し、21世紀後半には温室効果ガスの排出量をゼロにする」
途上国を含む全参加国に削減努力を求める

【各国別の温室効果ガス排出シェア】出典:全国地球温暖化防止活動促進センター


地球温暖化による影響は、科学の精度も向上し、より詳細な予測ができるようになってきた。
そのうえで2015年には人為起因による気温上昇の抑制に具体的な目標が設定され、
途上国を含む全参加国に削減努力が求められています。

 各国の宣言 

上図が主要各国の削減目標の一覧となります。日本は2030年を目標として、
26%削減(2013年対比)を目標としていたが、
2021年4月22日アメリカ主催機構サミットにより、
46%削減を目指すところを宣言。さらに50%の高みに向け、
挑戦を続けていく決意を表明した。

 地球温暖化は誰にとって一番ヤバいのか? 

地球温暖化は誰にとって一番悪影響が出てくるのか?皆さんはどう考えますか?
IPCCの第6次評価報告書では、
地球全体で気温が上がっているのはこの2000年の間で初との事です。
影響を大きく受けると考えられるのはまず、発展途上国の人々
特に小規模の農業を営んでいる農民の人々。
乾燥地域で温暖化が進むと干ばつが増えて農業ができなくなり
住むところがなくなってしまうかも知れないと言われています。

そして何より未来の人たち
温暖化は放っておくとどんどん将来にいくほど酷くなっていきます。
今の世代よりも後の世代の方が深刻な影響を受けます。

覚えておきたいのは、
発展途上国の農民の人々はCO2をほとんど出さず、
未来の人々は当然出してもいないという事です。



現在は産業革命以前より1.0℃気温上昇していると言われています。
現在の取り組み状況では残念ながらパリ協定の目標に届かないとも予測されています。
しかし世界各国は、目標を定め、様々な政策を打ち出し、
「脱炭素」への取り組みを進めているのです。
 
次回:SDGs・ESGとの関係性 を予定。