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「労働環境改善は未来への投資」、豊橋市主催の脱炭素セミナーに登壇

2026/03/04

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 2026年2月20日(金)、豊橋市役所で脱炭素セミナーが開かれ、三河設備工業の省エネコンサルティング事業で営業を担当する中川氏が登壇しました。中川氏は、省エネと労働環境改善は「未来への投資」と位置づけ、近年の猛暑を背景に企業から相談が増えている暑さ対策について講演。離職率の低下や採用力の向上、従業員のモチベーションアップといった「見えにくいが大きな効果」を紹介しました。

 セミナーは豊橋市と豊橋商工会議所、サーラエナジー、豊橋信用金庫、豊川信用金庫、蒲郡信用金庫の共催で実施。中川氏のほか、愛知県環境局地球温暖化対策課の職員や「エコアクション21」に取り組む事業者も登壇し、無理のない脱炭素の取り組みについて情報を共有しました。
 三河設備工業は2015(平成27)年に省エネコンサルティング事業部「省エネプラス」を設立。製造業の現場改善から省エネルギー対策、労働環境の向上まで、幅広くサポートしています。
 講演タイトルは「省エネと労働環境改善が“働きたい・働き続けたい会社”を作る経営戦略」。中川氏は、実際の現場で感じた労働環境改善が経営にもたらす本当の価値を語りました。
 

暑さは経営リスク




 市内の事業者やセミナーの関係企業、市職員ら約50人を前に、中川氏は「暑さは静かに経営体力を削っているリスク」と強調。暑さ対策がなぜ経営課題になるのかについて、「求人を出してもなかなか応募が来ない。来ても現場の環境が悪いとそれを確認して辞退される。また、環境が整っていない現場では、定着率の低下や生産性の低下、品質の維持が難しくなるといった課題を抱えていることも多い。離職による損失、さらに、けが・事故の増加、生産性の低下は、会社にとって大きなマイナスになる」と指摘しました。



 では、どのように環境改善を進めていけばよいのでしょうか。まず、省エネ・暑さ対策の基本的な考え方として3点を提示しました。

1.熱を入れない
2.熱を広げない
3.熱を外へ逃がす


 「エアコンを増やすのも一つの方法ですが、その前にエアコンを入れて冷える環境なのかどうかを一度確認することが大事です。現状を把握した上で、最適な手段を選ぶ必要があります」と話しました。

 

現場で活用される具体策




 講演では、実際に多くの現場で導入されている技術についても解説しました。

遮熱シート:屋根や天井に施工し、外部からの侵入熱を遮断します。建物の状況により、工場内温度が約3度~5度低下する事例もあります。空調の稼働効率の向上にもつながります。
遮熱塗装:屋根に遮熱塗料を塗布し、太陽光の熱を反射して建物内部への熱の侵入を抑えます。既存の屋根を活かして改善でき、施工が比較的容易で、屋根の保護効果も期待できます。段階的な施工も可能です。
断熱ジャケット:炉やボイラーなどの熱源を断熱材で覆う方法。やけど防止など安全性を高めるとともに、省エネ効果や作業環境周辺の温度改善に寄与します。
遮熱+局所排気:熱源周辺や作業エリアを遮熱シートで囲い込み、局所排気で熱気を直接排出します。投資額を抑えつつ、段階的な拡大が可能です。
ルーフファン:工場内に滞留した熱気を強制的に排出し、空気の流れをつくります。効果を高めるには給気と排気のバランスが重要で、既存設備の能力を引き出す効果もあります。
井水ユニットクーラー:地下水を活用し、エアコンと比べて大幅なランニングコストを削減できます。

 中川氏は「いずれも実績のある確立された技術です。『新しい』『高額』という基準だけで判断する必要はありません。現状を把握した上で、予算や優先順位に合わせて技術を選択することが成果につながります」と、環境改善に取り組むうえで重要な考え方を伝えました。

 

投資の「見える効果」と「見えにくいが大きな効果」

 環境改善への投資には、「見える効果」として電気代の削減や作業率の向上などがあります。一方、「見えにくいが大きな効果」として、会社一丸となって省エネと環境改善を進めることで、離職率の低下、採用率の向上、従業員のモチベーションアップ、企業イメージの改善などが挙げられました。



 実際に導入した企業からは、「人が辞めなくなった」「会社が自分たちのことを考えてくれていると感じた」という声が寄せられているとのことです。中川氏は、「消費電力が下がる以上に、現場の反応が変わります。現場の人の表情が柔らかくなり、コミュニケーションが活発になります。不安が減ることで現場は落ち着き、それが生産性や品質の安定につながります。働きやすくなったという実感こそが非常に大きな成果だと考えています」と話しました。

 

「働きたい会社」が生む好循環


 では、なぜ働きたい、働き続けたい会社になるべきなのでしょうか。
 「環境改善に投資をすることで、現場、経営者、会社の姿勢が少しずつ変わります。働きやすい雰囲気や空間が整えば、必然的に定着率が向上し、採用力が強化され、経営が安定するという好循環が生まれます。従業員は、会社から大切にされているかを見ています。その姿勢が信頼となり、会社の未来をより良くしていくのではないかと思います」と説明しました。

 

中小企業の労働環境改善は小さくスタート




 中小企業はどのように労働環境改善を進めていくべきなのでしょうか。中川氏は、「『現状を把握する』『優先順位をつける』『小さく始める』、さらに数字だけでなく、現場で働く人の表情を見て、経営者側も一緒に効果を確認してください。効果を共有し、評価しながら段階的に拡大していきます。完璧を目指すのではなく、小さく始めて効果を体感し、改善を継続する。それを社員と一緒にできることが中小企業の強みです」と訴えました。
 最後に、「省エネと労働環境改善は未来への投資です。人が残る会社は自然と強くなります。技術の継承やノウハウの蓄積にもつながります。大きな投資が必要なわけではありません。まずはお金をかけずに現状把握から始め、社内で課題を共有してください」と呼びかけました。